信じる価値を学ぶ

2013年4月9日の日本経済新聞「私の課長時代」では、住友商事の中村邦春社長が特集されている。中米プエルトリコ駐在になった時の回想である。

 

人は立場が上になればなるほど孤独を感じるようになります。プエルトリコで社員が遠くで話しているのを目にすると、私のことを非難しているのではないかと猜疑心にさいなまれるようになりました。(中略)当時、みんなで何かを決めても、周囲に何度も「俺が言ってるからそうしたんじゃないのか」としつこく問いただすのが常でした。「俺が上司だから従っているんじゃないか」と思う猜疑心があったからです。あるとき「部下をもっと信用してください。信用していないからそういう行動になるんです」と部下に指摘されました。それを契機に吹っ切れて、部下を信じようと思いました。1人でできることには限りがありますが、みんなでオープンに議論をするとよりよいアイデアが生まれることが少なくありません。熱い思いで「みんなでやろうよ」という雰囲気を作り出す重要性をそのときに実感しました。

 

中村社長の話は、上司と部下の関係についてだが、家族、友人、同僚などにおいても同様の関係性が成立すると感じている。まずは自分から。信じてみよう。心を開いてコミュニケーションしてみよう。