迷いの旅籠(はたご)

日経新聞朝刊最終面の小説「禁断のスカルペル」が昨日で終了した。冒頭暫くはスローな展開が続いたが、途中から一気に面白くなり、最終回は涙が出そうになるほど。連載終了で寂しくなるなぁ・・・と感じていた。


そして。本日より「迷いの旅籠(はたご)」が連載開始。宮部みゆきの書下ろしということで、初回から期待が高まってくる。5月25日付の日本経済新聞朝刊では、以下のように紹介されていた。

『「迷いの旅籠」の舞台は江戸時代、神田にある袋物屋の三島屋。主人公のおちかは一度に一人の語り手を客間に招き入れ、不思議な話や恐ろしい話を聞き出します。奇妙な現象を招く人間心理にも迫っており、現代性を持った怪異譚(たん)です。

 宮部氏は1960年東京生まれ。87年「我らが隣人の犯罪」でオール読物推理小説新人賞を受賞して作家デビュー。「火車」(山本周五郎賞)、「蒲生邸事件」(日本SF大賞)、「模倣犯」(芸術選奨文部科学大臣賞ほか)など数々の話題作を世に送り出してきました。直木賞選考委員も務めています。』


実際に読んでみると、おちかが聞き出す「百物語」がどんな形で語られるのか気になってくる。本当に百の物語を紹介するのか、あるいはそのうちの幾つかを抜粋して紹介するのか。いずれにしても、毎朝の展開が今から楽しみである。


『人は語りたがる。己の話を。

だがそれは時に、その人の人生の一端に染みついて離れぬ何かを他者に見せることにほかならず、多くの耳に触れ回りたくはない。しかし一度は口に出して吐き出してしまわねば、その何かを墓の下まで持って行くのはどうにも辛い。その何かが、いざとなったら墓石の下に収まらないかもしれぬという不安が胸を塞ぐ。

だから、三島屋の変わり百物語は人を集める。

そこに難しい決まり事はない。聞いて聞き捨て、語って語り捨て。ただそれだけだ。』


明日の語り手は誰になるのか。今から本当に楽しみである。




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コメント: 2
  • #1

    ありあどね (火曜日, 02 6月 2015 00:35)

    こんばんは。
    「三島屋変調百物語」、続きが始まるのですねえ。
    既刊の「おそろし」「あんじゅう」「泣き童子」、私は「おそろし」だけ読んで、なんとなく満足して止まってしまっていますが、続刊いずれも好評のようなので、いずれ続きを読みたいと思っています。
    宮部さんの時代物だと、「あかんべえ」も大好き。これも若干、怪談風味。もし未読で、ご興味あればどうぞ。

  • #2

    まゆみ (火曜日, 02 6月 2015 19:54)

    ありあどねさん、こんばんは。
    コメントを頂きまして、有難うございます!!初めてコメントを頂き感激です☆
    そして、「迷いの旅籠」が続編だったとは!!ぜひ既刊の作品群を読んでみたいです。「あかんべえ」もチェックしてみますね。おすすめ情報ありましたら、また教えてください。よろしくお願い致します♡