友達の多い企業、少ない企業

『大切なものがすべて数値化できるわけではなく、金額には置き換えにくいが、企業評価の際に無視できない重要な要素がいくつか存在する。(中略)最近とりわけ注目されているのが「ソーシャル・キャピタル」だ。(中略)当該企業が、多くの他の企業や大学、研究所、政府機関と信頼、協力関係で結ばれていれば、その企業はさらに成長する可能性が高い。逆に友達が少なく、孤立した企業の未来は暗いという考え方である。(中略)他者の強みを素直に評価して、オープンマインドで信頼関係を醸成する。そんな開かれた姿勢が大切なのは個人も国家も、そして企業も同じである』(日本経済新聞2015年4月7日朝刊より)


企業を評価して投資にいかそうとする時、定量的な分析とともに、ブランド力や技術力、経営陣や社風、そして取引先や顧客との関係性といった定性項目にも注目する。そして、人的な意味でのレバレッジ効果。これは、個人についても同様で、自分一人で何でも対応しようとせず、他の人が持つ知識や人脈、資金などにアクセスすることで、より幅広い活動が可能になると信じている。勿論、自分自身も周囲に提供できるものがあって成り立つ関係である。

つらつらと書きながら、『速く行きたいなら一人で行け、遠くへ行きたいなら皆で行け(If you want to go fast, go alone.  If you want to go far, go together.)』という諺を思い出す。企業も個人も、勿論国家も、信頼関係の構築が欠かせないことを再認識。