【ご報告】いよいよ3月で大学院を修了します

本日、zoomでオンライン論文報告会を開催させていただきました。

自己紹介にも記載の通り、お茶の水女子大学大学院の開発・ジェンダー論コースで研究を続けておりました。「日本の金融機関における転勤制度のジェンダー分析」という論文が審査を通り、この3月に大学院を修了することが出来る見通しとなりました。

2017年に独立するまでファンドマネージャー/アナリストとして働いていました。その時代から、投資先企業へのインタビューや各種資料の分析などを行いながら、日本型雇用慣行のガラパゴス化と日本企業の競争力低下についてずっとずっとず~っと気になっていました。メディアでは日本はすごい!と称賛する番組や記事が散見される一方、海外に目を転じると日本社会や日本企業の相対的な競争力低下/後進国化に危機感を感じざるを得ない状況にあると感じていました。家父長制的価値観や富国強兵的な価値観が高度経済成長期の日本社会・企業の構造に色濃く反映され、人権を無視するような運用がまかり通り、不正や癒着を引き起こしているのではないか。性別や学歴や職業や国籍やその他諸々の属性により、生まれながらにして特権を持つ者とそうでない者とが更に区分され、その構造が(実は特権を持つ者も含めて)誰も幸せではない社会をつくり出してしまっているのではないか。不幸せな人が増えることで、より他者を押さえつけたり踏みにじるような言動が増長されてしまっているのではないか。常にそんな疑問を持ち続けていました。

 

今回の論文は、そのような考えをもとに、日本型雇用慣行の特徴を表す「転勤」(会社命令による引越しを伴う異動は、日本に独特のシステムです!)と、職務区分による性別の偏りが顕著な「金融機関」(性別職務分離が最も顕著な産業のひとつです!)に焦点を当てて研究してみました。「転勤」も「金融機関」も「日本型雇用慣行における無限定労働」と「ジェンダー」をあらわす象徴として選択しており、他の業界や転勤のない職場にも共通する構造問題が存在すると考えました。研究では、日本型雇用慣行には女性が活躍できない構造が人為的に形成されていること、このままでは日本企業の競争力が失われてしまうこと、などを結論づけました。

論文報告会には国内外から約30名のみなさまが参加してくださり、たくさんの質問やコメントをいただきました。働く女性のみなさまからはスッキリした、もやもや感が晴れた、出版して欲しいなどのコメントを多数いただきました。男性の参加者の方からもこれからの日本企業の競争力の維持・向上のために、組織運営の仕方を変えていく必要があるとのご意見をいただきました。

大学院での研究はここで一旦終わりますが、誰もが生きやすい世の中を目指した活動は今後も続けていきたいと思っています。ご興味・関心などお持ちいただけましたら、つながっていただけると嬉しいです。ご連絡お待ちしております!!