大切なのは回復する力(レジリエンス)

薬膳料理の第一人者で国立北京中医薬大学薬膳専科・教授、国際中医薬膳師でもいらっしゃる中村きよみ先生。80歳を超えているとは思えない健康でエネルギーに満ちたご様子に、まさに薬膳料理のすばらしさを伝えるための生き証人であると、お会いさせて頂く度に実感しています。

 

そんな中村先生のお言葉。「風邪は誰でも引くんです。大切なのは風邪を引かないことではなくて、風邪を引いたらいかに早く回復するかということ。そのためには自分の状態を診断し、症状にあった食事をとれるようにしましょう。」

 

大切なのは回復力。今風に言うならレジリエンスです。この考え方は体調管理だけではなく、人生全般にあてはめられると思います。例えば、仕事が思う通りにいかなかったとしましょう。気持ちがへこんだり、落ち込んだり、もしかしたら自分に対する怒りすら感じてしまうかもしれません。

 

しかし、人生には波があります。自分の努力や能力に関わらず、うまくいったりいかなかったりすることがあります。予防していても風邪を引いてしまう事があるように、仕事で全力をつくしたのに思い通りの結果が得られない場合もあるのです。そこで大切なのはレジリエンスです。ネガティブな気持ちになった後、どんな方法ならスムーズに回復できるのか、あなた自身の特性(処方箋)を予め知っておくことが重要です。過去に回復した時を思い出しながら、何が自分を引き上げる力になるのか、少し意識してみてもいいかもしれません。思いつかない場合には、あなたのコーチと一緒に考えてみるのもおススメです。

 

なお、写真は中村先生による津液のオリジナル薬膳レシピです。津液とは生命活動を維持する基本的な物質で、人体内の正常な水液全体を総称します。玉竹粥、クコとアスパラガスのスクランブルエッグ、はと麦入り豆のサラダの3品です。一般に、薬膳料理は薬臭いとのイメージをお持ちの方もいらっしゃるようですが、中村先生のレシピは材料の組み合わせで薬膳効果を引き出しており、お料理として大変美味しいものになっています。