自分の「軸」を作るということ

100ccや5kgなど定量的に計測可能な物事は、そのルールに従うことにより、同じ基準での判断が可能となる。一方、同じ100ccの液体に対して、「まだ100ccもある」と感じるか「もう100ccしか無い」と感じるかはその人次第である。

 

人生で出会う物事、事象について、それをどう捉え、何を感じるかは自分自身にしか分からない。例え親子であっても、双子であったとしても、別の人間として生まれ独自の価値観を形成するなかで、感じ方、受け止め方は異るからだ。

 

誰かにとって大切なこと、絶対に譲れないことが、自分にとっても同様であるとは限らない。自分が辛い、悲しいと感じる事象に対して、世の中の全員が同様に捉えてくれる訳ではない。どんなに共感力が高くても、全く同じ感覚、感情を抱えることは難しい。

 

その意味で、絶対的な正解や間違いは存在しない。誰もがその人なりの価値基準を持ち、それを大切に生きている。周囲がそれを否定したり変更させることは出来ないし、する意味もないだろう。

 

私達は判断に迷った時、アドバイスを求めたり、誰かに頼ることがある。もちろん、そうすることで必要な情報や選択肢が手に入ることはある。しかし、それらのリソースをどのように扱った場合に効果があるのか、自分が最も幸せな選択が出来るのかについては、自分自身にしか分からない。自分で判断していく必要がある。

 

ゆえに、自分の「軸」を作ることが大切になる。しっかりとした軸を持つ。大切な価値観をしっかり握る。何かに迷った時、そこに立ち戻ることさえ出来れば、おのずと自分の進むべき道が見えてくる。誰かの真似をしたり、ただ言われた通りに振る舞う必要はなくなる。誰かの人生は、その誰かによる人生の選択の結果であって、あなた自身の人生において必ずしもベストな選択とはなり得ない。

 

だからこそ、自分の「軸」をしっかり持ち、自身が大切だと感じる価値観に沿いながら、後悔無く生き切れるように毎日を大切に生きていきたいものである。