本質的な変容を遂げるために、まずは一歩踏み出してみよう。

蝶は、幼虫から蛹(さなぎ)となり、美しい姿に変わって羽ばたいていく。成長とともに変わるのは、その大きさだけではない。全く違う外見に変容していく様子は、人間界ではまず見られない現象である。

 

その美しさゆえに人々を惹きつける蝶。実は、幼虫から蛹になる時、その体が一度ドロドロに溶けることは意外と知られていない。蛹の中味がドロドロに溶け、その後、蝶の姿に再形成されていく---まさに、本質的な変容を遂げるのだ。

 

一方、我々人間は、一度溶けて姿かたちを変えることは出来ない(少なくとも現代の医学・科学技術においては)。しかし、外見は同じであったとしても、その生き方を変えていくことは出来る。自分をしっかりと内観し、なぜ今この時代、この場所に存在しているのかを考えてみよう。自身の存在意義、使命を知り、その方向へ舵を切ることが出来たら?小手先だけではない、本質的な変容を遂げることが出来たら?この人生で自分が課された使命(「命を使う」と書くぐらい大切なものですよ!)を全う出来るとしたら、あなたの人生はどんなものに変わるだろうか。

 

変化の幅が大きれば大きいほど、揺り戻しも大きくなる。自分への言い訳もどんどん膨らむ。もしかしたら、ここに留まって今の幸せ(らしきもの)を守るほうがいいと、自分に言い聞かせたくなるかもしれない。しかし、もしここに留まることで、いつか後悔する日が来るように感じるのなら、思い切って一歩踏み出してみよう。蝶になる前に、一度ドロドロに溶けてしまうぐらいの心持ちで。