境界線を伝え合おう

10時の約束がある時、あなただったら何時に行きますか?

15分前?5分前?それとも10時ジャスト??あるいは、5分、10分遅れても問題ないと思いますか??


30分遅れても気にしない人。15分前には着くようにしている人。待ち合わせに関する考え方について周囲に聞いてみると、意外と驚くような答えがかえってくることがあります。それは、それぞれが当然だと思う境界線が、人によって異なるから。

①当然と思うこと、②ちょっと違うけれど、まぁ許せると感じること、③問題外!で受け入れられないこと。①と②の境界線、②と③の境界線の場所は、人それぞれ異なるのです。


でも、私達はついつい、自分と同じところに境界線がある前提で、話を進めてしまったりします。

「なんで15分も遅れてくるの?余裕を持って家を出ていたら、電車が遅れたからって待ち合わせ時間に遅れたりしないはずでしょう???」とか。

「本読みながら待ってたんだし、少し遅れたぐらいでギャーギャー言わなくてもいいじゃないか?」とか。


こんな会話(ぼやき?)は、日常生活の色々な場面で見られます。食後は食器を流しに運ぶべき、洋服を脱いだら表に返しておくべき、お風呂は続けて入るべき、誰かに会ったら挨拶すべき、老人は敬うべき、部下は上司に従うべき、などなど。そんな一連の「当然、〇〇すべき」という思いは、もしかすると、あなただけの価値観かもしれません。


お隣の方は、あなたと違う価値観を持っている可能性があります。特に②と③の境界線の場所が違っていたら、別の国の言葉で会話をするようなものでしょう。何度繰り返したところで、あなたの思いは伝わらないままかもしれません。


大切なのは、あなたの境界線がどこにあるのかを事前に周囲に伝えておくこと。②と③の境界線について伝えることで、相手はあなたが許容できない領域を事前に認識し、避けることが出来るようになります。また、あなた自身も周囲の境界線について知っておけば、誰かの地雷を踏んでしまうこともなくなりますよね。


私たちは、身近な人の価値観について、知っているようで意外と知らなかったりします。機会をつくって、あなたの大切な人達と、お互いの境界線についての情報をシェアし合ってみてはいかがでしょう?きっと、関係が更に良好なものになっていくことと思います。