『事実というものはない。あるのは解釈だけだ』
"There are no facts, only interpretations."
最近、ニーチェ(Friedrich Wilhelm Nietzsche)の言葉が気になっている。
例えば、プラセボ(偽薬)効果。薬効成分を含まない偽の薬を渡されても、患者さんが薬だと信じて飲むと、病気が改善したりする。薬効成分がないことが事実なのに、薬だと解釈することで効果が生じてしまうのだ。
もっと身近な例で考えてみよう。例えば、あなたの恋人が新聞を読んでいたとする。あなたは恋人に相談したいことがあったが、話しかけても恋人は上の空。めげずに何度も話しかけたら、面倒くさそうな顔をされてしまった。
さて、ここで、あなたにとってもの事実は何であろう?
①恋人が新聞を読んでいる。
②恋人に話しかけても上の空である。
③恋人に面倒くさそうな顔をされた。
・・・といったところだろうか?
さて、ここで立ち止まって考えてみよう。
①恋人は本当に新聞を読んでいたのだろうか?もしかしたら、何か大変なことが起きて、新聞を開いたまま考え事をしていたかもしれない。あなたも含めて誰にも話せない窮地に陥っていた可能性がないと、言い切れるだろうか?
②恋人は本当に上の空だったのだろうか?大変な状況下で、あなたの声がきちんと耳に入っていなかった可能性はないだろうか?
③恋人は本当に面倒くさそうな顔をしたのだろうか?あなたに話せないことがもどかしい、そんな自分が情けない・・・といった表情だった可能性はないだろうか?
結局のところ、①も②も③も、恋人に関するあなたの解釈に過ぎないのだ。恋人の態度をネガティブに解釈して、あなたが癇癪を起すような態度を取ってしまったら、恋人の心は離れてしまうかもしれない。しかし、怒りのスイッチを入れる前に、まずはあなたの解釈を一旦横において、恋人の状態について今一度確認してみてはどうだろうか。あなたの解釈が実は全く違っていることもありうるから。まずは、あなたから一歩踏み出し、パートナーとの距離を縮めてみてはどうだろう。
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