アイドリングのすすめ

アイドリングと言っても、自動車が止まっている時にエンジンをつけっ放しにしているアレではない。

ワシントン大学医学部放射線科と神経科のマーカス・レイクル(Marcus E. Raichle)教授の提唱する『デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)』のことだ。


レイクル教授は、人間の脳が意識的に活動している時だけでなく、ぼんやりしているときにも重要な活動を営んでいることを発見。この活動の中心的なネットワークを「デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)」と名付けた。DMNは、様々な脳領域の活動を統括し、これから起きうる出来事に対応するために重要な役割を果たしていると考えられている。

 

脳科学の第一人者である茂木健一郎氏も、DMNの重要性に注目している。

曰く、『大切なのはアイドリングしている状態を作ることです。とくに今日のデジタル情報社会において、私たちの脳は常に「オン」の状態なので、これを意識的に断ち切って「オフ」の状態を作る必要があります。脳科学の分野ではこれを「デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)」といって、脳を休ませることで蓄積した情報を熟成させるという意味があります』


スティーブ・ジョブズが重要な判断をする時は散歩に出掛けていた、というのは有名なお話。

仮眠、瞑想、座禅、ランニングなど、お好きな方法で脳を休ませ、DMNを活性化することも出来るようだ。

まずはお散歩から、取り組んでみたい。