「怒り」と上手につき合うための3つのポイント

今日は「怒り」と上手につき合うためのポイントについて書いてみたいと思います。

 

 

「怒り」と上手につき合うために

①「怒り」をなくそうと頑張らない

クライアントさんから「怒り」についてのお話を伺うことがあります。

 

とにかくイライラする。

会社や家庭で「怒り」が強すぎると指摘された。

「怒り」を手放す方法を知りたい。

「怒り」を無くすことが出来ない!

 

こうしたお話を伺った時はまず、「怒り」をなくそうと頑張らないでください、とお伝えしています。

 

え?!と思われた方もいらっしゃるかもしれません。

が、そうなんです。

決して頑張らないでください!!

 

「怒り」は自然な感情のひとつです。

感じ方を抑えることはできますが、「怒り」自体が無くなる訳ではありません。

無理に抑えつけると、「怒り」と一緒に「喜び」など他の感情も感じにくくなってしまう可能性があります。

みなさんが目指されているのは、感情のない人ではないですよね。

 

「怒り」は自然に湧き上がってきますので、そのまま感じてください。

大切なのは、その「怒り」にどう対処するかということです。

怒鳴ったり誰かに当たったりして、後悔する事態は避けたいところです。

そのためには、「怒り」を感じた際の初期対応が大切になります。

 

②一呼吸置くための方法を身につけておく

「怒り」が湧いた時、カッとなって頭に血がのぼったように感じることもあるでしょう。

ここで「怒り」に身を任せてしまうと、心にもないことを口走ったり衝動的な行動を起こして後悔することになりかねません。

人間関係にヒビが入ったり、場合によっては傷害事件などに発展するリスクもあります。

 

まずは一呼吸置いて、「怒り」のピークが過ぎるのを待ちましょう。

その後で、今後の対応を考えましょう。

10秒ほど待てれば「怒り」のピークはすでに過ぎ去っています。

その時間を稼ぐための方法を考え、普段から練習して身につけておくことが大切です。

 

深呼吸をする。

心のなかで数を数える。

その場を立ち去る。

目に入ったものをひたすら凝視する。

今の怒りが10点満点中で何点になりそうか考えてみる。

 

ご自身に合った方法で、まずは「怒り」のピークをやり過ごしてください。

そして、その後にどう対処すべきか考えましょう。

 

③自分の願いに耳を傾ける

私たちはみな、大切にしたい価値観や譲れない想いを持っています。

心理学で「コア・ビリーフ」と呼ぶ大切な想いのことです。

 

私たちは、現実と「コア・ビリーフ」との間にギャップが生じた時、違和感を覚えます。

特に、その場の状況や相手に対して強い期待を抱いている時ほど、生じたギャップを受け入れがたいと感じる傾向にあります。

知らない人よりも家族など近しい人に対して、より「怒り」を感じやすいのは、相手に対する期待が大きくなっているためです。

その大きな期待と現実にギャップが生じた時、「怒り」が生じてくるのです。

 

「怒り」を感じた時、それはあなたの強い想いがあるということを意味します。

その想いがないがしろにされたり、軽んじられたり、理解されていないと感じると、「怒り」が生じる可能性があるのです。

ご自身の「コア・ビリーフ」がどんなものであるか、どんな願いをお持ちであるのか、「怒り」を感じた時にはぜひ耳を傾けてみてください。

 

そのうえで、どのように対応すれば効果的であるか、よく考えてから行動してみましょう。

どんな伝え方をすれば相手が動いてくれそうか。

何度言っても伝わらないなら、アプローチ方法を変える必要があるかもしれません。

あるいは、そもそも時間やエネルギーの無駄と思って、対応すること自体をやめるという選択もあるかもしれません。

 

「怒り」と上手につき合うために

「怒り」はネガティブな感情と捉えられがちです。

しかし、時には自分を守ってくれる大切な感情にもなりえます。 

さらに、「怒り」をポジティブなエネルギーに変えることで、何か大きなことを成し遂げることもありえます。

有名な例としては、青色LEDの開発でノーベル賞を受賞された中村修二先生のスピーチがあげられるでしょう。

発明の原動力は「怒り」であるとおっしゃっています。

私たちも「コア・ビリーフ」を大切にしながら、「怒り」のパワーをポジティブなエネルギーとして活用していきたいですよね。