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原作/江戸川乱歩
脚本/三島由紀夫
演出・美術・衣装・主演/美輪明宏
ずっと気になっていた美輪さんの黒蜥蜴。「美しいもの」を狙う女賊・黒蜥蜴と美輪さん自身の世界観が重なる。美輪さんは江戸川、三島両氏と直接交流があったらしい。そんな彼女ならではの作品解釈により、舞台は独特かつ耽美な世界観を孕み、妖しく脈打つ。
220分(途中休憩を含む)という長時間公演。美輪さんの演技力、荘厳かつ美しい台詞と衣装、演出の数々に圧倒される。特に、黒蜥蜴と探偵・明智小五郎が互いに台詞を言い合いながら、歌舞伎の見えを切るような場面は圧巻。二人の互いに対する気持ち、なかでもラストの台詞が素晴らしい。
写真はロビーの様子。他の舞台では見たことがないほど、数えきれないほど美しいお花の数々。美輪さんのお人柄と交友関係の広さが再確認される。
黒蜥蜴はもう、美輪さんの作品になっている。ほかの誰が演じても、美輪さんを超えることは出来ない。そんな気持ちになった。そして、何歳になっても妖艶な魅力と独特の世界観、エネルギーを発し続ける彼女に、魅了された。素晴らしい午後のひととき。美輪さんに感謝。
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